今パルコ劇場にて上演されている
フィリップ・ジャンティカンパニー「動かぬ旅人」を観てきました。
このカンパニー、15~20年前の初来日時は「漂流」と言う作品でやはり海の上を漂うようなイメージの作品でした。
それから今回は数回目の来日。
今回も人生を旅しているような感じ、、、作者の永遠テーマなのでしょうね。
フィリップ・ジャンティさんは元々人形師でそこから身体表現になっていったと、昔買ったパンフレットに書いてあった記憶があります。
今回は舞台いっぱいの布で海をイメージし、出演者は多分全員ダンサー7名(平均年齢は30~50歳?)、気持ち悪くエロチックな人形が登場し出演者達が腹話術で奇声を発しながら浄瑠璃の様に操る。
時には踊り、時には喋り、時には歌い、大きな模造紙を操る、、、
って、観てない人はちっともわかりませんよね。
あれだけの道具を使う作品のリハーサルは私のやって来た舞台からの想像を超えます。
リハーサル場所の確保、休みなくスタッフと出演者がいて、道具の不具合も毎回なおしながらのリハーサル。
消耗品もかなりあるのでお金もかかる。
羨ましい限りですが、それをやってのけるのはジャンティさんに人を説得出来る魅力があるからなのでしょう。
今回の作品は中東あたりの終わらない戦争についてだったように思い見ていました。(違うかしら?)
出演者の明るく表現するにもかかわらず、爆発音や人形を潰す行為、そして人間の恐ろしくも哀しい心の表現としてグロテスクな人形。
6/4までやってます。
そして昨日はとあるカンパニーの舞台を観に行ってきました。
とある所と言うのは名前を伏せますが、このカンパニーのダンサーに人工股関節のダンサーが2名いらっしゃると言うので、全く知り合いでは無かったのですが初めて拝見しました。
一部は主に若いメンバーの作品で、2部は昔からの作品をベテランダンサーが踊るという構成でした。
私はひたすら人工股関節の先輩ダンサーを目で追いましたが、表現もさることながら、飛んで走って寝転がって立ち上がってと、健常者と全く変わらぬ動きに嬉しく思いました。
今の私は痛みで歩くのがやっとなので、あんなふうに舞台に立てれば、と目標を目の前にすることが出来たのでした。
終わってご本人に会い、松葉杖の私に「リハビリは大変よ。痛いけれど先へ進むための痛みだから」と私が励まされてしまいました。
今の私は仕事もたまにしか出来ずゆっくりペースで活動していますが、人にとって止まっているのが一番苦しいこと、とつくづく思うこの頃です。
上手く行く時は転がるように進むはず。
ゆっくりが長すぎた気もしますが、そのための手術を12日に。もうすぐ。
[Posted by kumiko at 2013年06月2日]