「父の事」

父の身体が急激に弱って来ている。今回の話は暗い(?)です。

 

今は毎日ほぼ介護用ベッドで過ごしている。
トイレに行くにもフラフラなので、外へはほぼ出られない。

 

昨年の12月、犬の散歩で度々転んで泥だらけで帰って来るようになり、その頃趣味のグランドゴルフもやめ、6月あたり自転車で出かけて漕ぐ力がなくなり倒れて自力で立ち上がれず近所の人が助けてくれたり。
今年の初夏あたり「運転が危なっかしい」と8月には車を売った。

 

4月に私が近所で自転車事故を起こした時は、自転車で「どうした?」と駆けつけて来てくれたのに。。

 

その後透析(3年くらい前から始めた)の徒歩5分の病院へも無理となり、迎えの車を頼んで1週間・・と思いきやそれどころか車に自力でまたいで乗れないことがわかり、特殊な車で車椅子での送迎となった。
母と私はその間「歩く練習とか運動とか、お願いだからして!」と何度となく言っていたが、頑固で「歩けなくなるわけない」の一点張りだった。

 

そこからもう坂道を転がるよう。
花で華やかだった柳下家の庭は、いじってくれる主がいなくなり静かな緑だけの庭になった。

 

歩けない=行動が制限される

 

2週間まえから訪問リハビリに来てもらうようになった。
ベッドに座り、脚を上げたり腕を回したり。
認知症の検査をしたら、少し進んでいるとの事だった。
確かに話がおかしい所も急に増えてきた。
会社へ働きに行っていたころの行動を急にし出したりする。
きっと必要とされていた頃が楽しかったのだろう。今は寝たきりでつまらなそうだ。

 

認知症検査の次の日に、いつも一日中パジャマの父がこの日は洋服を着てベッドに寝ていた。
どうしたのかと聞いたら「今日は外へ行くんだ」と。
私はその日はたまたま仕事まで時間があったので「一緒に散歩しよう」と誘ってみたら「あー行こう」となった。すぐ動いてくれるなんて珍しかった。
歩くのには良い天気だった。

 

多分2か月ぶりくらいの自力歩行の外の景色。
「まだ朝顔が咲いてる」とか「あそこの家の人は・・」と色々話しだした。連れ出して良かった。
10mくらいはゆっくり杖を付きながら歩くが、段々と頭の重さで速度が上がり前へ倒れていく。坂道みたいで面白いほどだ。
それを後ろから衣服をつかんで止める私。
「離せ!」と言われるが、床から70度くらいに立っているので離せない。(通常の人が床から90度に立っているとして)
これって相当だよね。
始めは「離せ」はふざけているのかと思った。

 

本人は斜めに立っていることを認識していないらしい。これでは立てないはずだ。
一体どうなってしまっているのか?筋力が無いだけではなく斜めセンサーがおかしい。
倒れても手も脚も出ないから、最近は頭や肩を強打してあざだらけなのである。

 

最近習っているアレクサンダーテクニークで、頭は5キロ以上あると習った。
重たいよね。
それを普段平気で上に持ち上げている私達だが、それを父は今体感しているんだな、と思った。
本当に頭が重たそうだ。すぐにしおれた花みたいに下を向く。
何せ歩かなくなって、あれよあれよという間に細くなってしまった父の脚。骨に皮が垂れている。
あれでは頭を支えられない。おまけにセンサーがおかしい。

 

母は父をしかりつける。「しっかりしろ」と。
でももう自分自身ではどうにもならないから、あんななのではないのではないか。助けないとだめだと今度は私が母を叱る。
昔私は父に何回もぶん殴られ、あれほど怖かった父が今はとても小さくなっている。

 

今年は1月から9月までずっと舞台リハーサルが続き、気が付いたらなんだかこんなことになっていた我が家族。
車も売っちゃってちょっと不便な最近。そうだ中古の車でも買おうか。34年間ペーパーだった私、やっと乗る機会があるのか?
できる時にできることをしよう。
母も大変そうだ。

 

今年2月半ばにはこんな姿を見せていた父。高い塀によじ登り植木を切っていました。これがよじ登った最後だったのか?
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[Posted by kumiko at 2017年10月13日]